投資をする上で一番大切なことは、「自分の目標と動機を明確にしそれに併せて投資計画を作成することである」と私は過去の失敗から痛感しました。
目標も動機も定まらないままただ早く会社を辞めたくてFIREを目指していた時の自分は、投資でいくら儲けていても「もっと稼がないと」、「もっと投資しないと」とただひたすらにリスクの高い資産運用ばかりしてしまいました。その結果、半年ほどで元手の10倍以上の5,000万円の利益が出ていてもリスクの高い投資を止めることができませんでした。ここまで増やせたんだから1億円までいける、1億までいったら2億までいける、漠然とそう思いながら資産運用していました。
そんなリスクの高い投資をしていた結果はFXでのロスカットでした。最終的に社会人になってから4年間で貯めた400万円のほとんどを失い、投資からも撤退せざるを得ない状況になりました。
投資の世界ではリスクの高い商品を選べば簡単に資産が倍になったり半分になったりします。そんな環境の中で漠然とお金が欲しいと思っているだけで投資をしていると引き際を知らぬまま投資を続けて全てを失いことに繋がりかねません。
「どうして投資をするのか?」、「いつまでに資産をいくらにするのか」を明確にし、それに併せた資産運用をすることこそ投資では重要だと私は考えています。この記事の内容は私が今実践している目標設定の方法になります。ぜひ、読んでもらって少しでも皆さんの足しになればと思います。
投資の必要性:投資が必要な人・不要な人
投資目標を定める上で、まず第一に本当に自分が投資が必要な人間なのかを考えてみてください。
「お金を増やしたいんだから投資が必要に決まってる」と思われる方もいるかもしれませんが、その場合どうしてお金が必要なのかを改めて考えてみてもらえますか?お金が必要な理由は「世界一周」、「仕事を辞めたい」などと様々かと思いますが、それらは本当に投資でないと叶えられないものでしょうか?夢が「世界一周」なら貯金、「仕事を辞めたい」なら転職、など投資よりもリスクが少ない方法で叶えることは必ずしも不可能ではないかと思います。
近年、日本政府の方針も貯蓄から投資へシフトし、投資への参加意欲が煽られる世相になってきました。年金の「2,000万円問題」やインフレについての「今日100円の商品が明日には120円」などの文句を頻繁に耳にします。そして、それを聞くたびにそれに対する回答として「株式投資」、「インデック投資」を勧められる世の中です。それらは何も間違っていません。ただ、自分が投資に求めるリターンを明確にしていないと、危ない商材に手を出したり、本来負う必要のないリスクを負うことになるのが投資の世界です。
なので、ただ勧められるままに投資するのではなく、投資にどんなリターンを求めるのかを明確に決めて、それに併せた投資法を行うことが投資家として重要です。なので自分の状況を改めて整理して、自分に投資が投資て必要なのかを整理しましょう。また、その作業の中で自分には投資が必要ないと気がつかれる方もいるかと思います。その場合この記事の役目はここまでかと思います。少しでもお役に立てたなら幸いです。
Q1. あなたは70歳の資産家です。仕事は定年退職して、夫婦二人で年金生活をしています。年金は年に300万円ほど貰っていますがそれでは生活費しか賄えず、旅行や孫へのプレゼントの購入費が不足しているので約6,000万円ある貯金を切り崩しながら生活しています。そんなある日、あなたの元に低リスクの投資商品を紹介するセールスマンが訪ねてきました。減っていく貯金に不安を覚えていたあなたは、貯金を全額預ければ年に300万円の配当をもらえるというこの投資商品に好感を持ちました。さて、あなたは投資すべきでしょうか?
A. 投資する or 投資しない
※どちらかを選んでください
突然の問題失礼しました。まずこの問題ですがどっちの答えが正解ということはありません。上記の問題は、皆さんが答える時、直感でどう感じたかが重要になる問いです。どう感じましたか?
「年に300万円の配当なんて怪しすぎる」と思った方がいたら、利率で計算してみてください約6,000万円の投資に対して年に300万円の配当なので、年間の利率は約5%です。これは東証プライムの高配当銘柄に分散投資していれば得られる配当とそれほど変わらないですし、インデックス投資でも平均これぐらいのリターンの商品はあります。なので、特におかしいものではありません。
「投資する」、「投資しない」を選んだ時、どう考えて選びました?
この問題ですが、年齢を考慮して「投資しない」と選ぶ方もいれば、低リスクで年に300万円という文面をみて「投資する」と選ぶ方もいると思います。そのどちらもが正しいです。
[補足]
年齢を加味して今の貯金額があれば「投資しない」で大丈夫と思うことも正しい。
新たに貯金できる収入源がない状態なので投資金額が0になるようなハイリスクな投資はできないけど低リスクな商品なら「投資する」と判断することも正しい。
ただ、問題文の「旅行や孫へのプレゼント」に注目してくれた方からすると、どっちで回答するかに迷われたのではないでしょうか?問題文では意図的にこの貯金を切り崩す要因になった項目の金額は記載していません。「投資する」、「投資しない」の回答は、現実的にはこの「旅行や孫へのプレゼント」が年間いくらかかっているか、またいくらかけるかによって決まることになります。
もしこの老夫婦が孫の大学費用を負担する、上京用にマンションを買ってあげるなどしようとしていたら、今の6,000万円の貯金では心もとないので投資を検討すべきです。
逆に、孫の大学費用などはその親が持つので老夫婦があまり負担ないなら、最後に自分の子供(孫の親)に遺産を残してあげることが最適解となります。その場合、資産が通常の切り崩しよりも減る可能性のある投資はあまり勧められません。
Q2.あたなは30代のサラリーマンです。体は健康で、仕事にも熱意を持って働けています。労働に対する対価が十分にあり、このままいけば将来の出世、昇給は補償されています。貯金も毎月できていてこのままいけば、老後に向けて十分な貯蓄を行える予定です。さて、この状態のあなたは投資すべきでしょうか?
A. 投資すべき or 投資しないほうがいい
この問題、どちらが正解だと思います?考え方は人それぞれで、「若くて十分に貯金できているなら投資に回すべき」と感じる人もいれば、「十分に貯金できているなら無理に投資しなくてもいいのでは」と感じる人もいると思います。この問題もどちらも正しいです。
[補足]
投資でお金を増やしていくにも時間がかかります。なので若いうちこそ少額でも投資に回して複利効果を得られる時間を増やすべきなので「投資する」と判断することも正しいですし、現状がうまくいっているなら無理に投資に時間を割かずに本業の仕事に集中するんも正しいです。投資は大なり小なり時間を使います。また自分のお金がかかっていることなのでまったくの無頓着でいるというのも難しいです。よって仕事のパフォーマンスにも多少は影響してしまうのでやらないということもありです。
ただ、本人の視点で言うとどうでしょう?大事なのは「仕事にも熱意を持って働けています」この部分です。仕事に最高のパフォーマンスを向けていられている状況で、かつ報酬も十分ならあえて投資をやる必要もないのではないでしょうか?むしろ、別の意味での投資をするべきです。ここでの投資とは、自分に対する投資でスキルアップの意味です。そうすることで投資でえるリターンよりも大きなリターンを本業でえられる可能性が高いです。
投資は、その人の送りたいと思っている人生設計に応じて必要にも不要にもなります。(ほとんどの場合、お金は人生設計の中で必要になるので候補には上がり続けますが、投資しか解決手段にならない場合も少ないです)だからこそ、投資をするときはなぜ投資をする必要があり、どのぐらい稼ごうとしているのかが重要になります。
ちなみに私の場合ですが、この記事を書いている時点では以下のような理由になっています。
[投資をする理由]
・貯金を銀行(低金利)に寝かせているのが嫌だから
・給与所得で実現可能な金額よりも大きい金額を稼ぎたいから(資産形成したいから)
-> ユーチューバーとか企業でも達成可能だが、自分に適性があると思えないから
・40歳までに不労所得(配当)である程度暮らせるようになりたいから
20代の頃にあった「早く仕事を辞めてFIREしたい」は、転職で解決し今の自分からは無くなっています。なので、投資に求めるリターンも依然とは変わりました。以前はとにかくお金が欲しいのでハイリターンの商材で勝負していましたが、今は本業で貯金したお金を少しでも増やす方向にシフトしているので人生目標(投資で目指す部分)はこんな感じです。
[短期目標(0~3年以内)] 総資産2,000万円(現状:総資産約1,000万円)
[中期目標(3~5年以内)] 配当で年間120万円達成(毎月10万)
[長期目標(5~9年以内)] 賃貸物件のオーナーになって賃貸収入を得る
短期目標の時点で1,000万円増やすことになっていますが、本業の収入の方で年間200万円(3年で600万)は貯金に回せるようになってきたので、投資目標は3年で利益400万です。手元に現金を200万ほど残すようにしているので、それ以外+これからの貯金分を回せば年間約10%で目標達成できるので、それほどリスクを負わなくて済む高配当株と割安株、外国債がメインになっています。特に、来年から始まる新NISA制度を使えば非課税で運用できるので効率が上がります!
私の場合は、このように、どうして自分には投資が必要かを整理し、自分の人生目標を投資でどう達成するかを計画することで、安定した資産形成ができるようになりました。これまでは、人からおすすめの株式を紹介されたら気になって買って損失を出したり、利益を出している人がいたらその投資法を真似して損失を出したりしてきましたが目標を明確にすることでそれらが気にならなくなりました。
これから投資をする方、今までただ漠然と投資をしていた方は改めて、どうして投資をするのかと、投資でどうしたいのかを考えてみてはいかがでしょうか?それを決めることで投資に迷いがなくなり投資家生活がより良いものになるはずです。
※次章「目標に併せた投資方法紹介」執筆中
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